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【 MFMAJ特別企画 】小池都知事インタビュー(2019年1月29日)



昨年(2018年)10月にスタートし、内外の大きな注目を浴びた「東京都庁ベジ・メニュー」。小池百合子都知事自らが旗振り役となって実現したこのベジ・メニューの背景には、環境問題や食の多様性への配慮という観点のほか、「ミートフリーマンデー」キャンペーンを提唱しているポールからの勧めもありました。(【参考】ベジ・メニュー導入時の記事:http://www.meatfreemondayjapan.com/tmg-vegemenu/
当方ミートフリーマンデー・オールジャパンも、当時、ポールと小池知事の間を仲介しながら様々な調整を行った経緯があるところ、今回、小池知事に直接お会いし、当時の背景や趣旨、ベジ分野における東京都の取り組み、ポールとの面会などについてお聞きしてきました(2019年1月29日、於:都庁本庁舎内知事応接室)。

MFMAJ:今日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まずは、昨年10月に都庁食堂でベジ・メニューを導入していただいたことに心から感謝申し上げます。知事は、発表の際、環境問題や食のダイバーシティー(多様性)の観点、またポール・マッカートニー氏からの示唆などについて言及されていますが、ベジ・メニュー導入の趣旨や経緯、準備過程で難しかったことなどについてお聞かせ頂けますでしょうか。

小池知事:東京都は言うまでもなく、日本最大の都市であり、世界でも最大の都市です。ミシュランの星の数も世界で一番多く、多くの方が食を楽しみに海外から来られたり、もちろん東京に住んでる人たちも食に対するこだわりを非常にもっています。
それと同時に、環境に対しての配慮への感度も高く、例えば食品ロスについても、来年の東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて対応策を考えていますが、都民の意識はとても高いと思います。
また食肉に関しては、それがどういう風に育てられ、どういう風に運ばれて、それが地球環境上どういう課題があるのかについては、これまで意識しているような、していないような部分があったのですが、ポールの「ミートフリーマンデー」という世界的なキャンペーンを通じて、徐々にそのことが理解されるようになってきました。
それから、都庁の職員を全て合わせると17万人、新宿本庁舎は1万人以上ということで、まずは「隗より始めよ」ということで、都庁の職員食堂でベジ・メニューを始めたということです。私も大豆ミートの酢豚と和風麻婆豆腐をいただきました。

MFMAJ:割としっかりしたメニューですね。

小池知事:(肉ではないという)解説がつかないとなかなか分からないですね。美味しく、違和感なく頂きました。最近の食材の工夫がされているなと思います。

MFMAJ:ベジ・メニューが始まってから数ヶ月経ちましたが、職員からの反応はいかがでしょうか。

小池知事:職員の皆さんからは、「嬉しい」という声が出ており、好評のようです。また、わざわざ都庁にベジ・メニューを食べに都民の方もいらっしゃるようで、すごく美味しかったという評判も聞いています。職員の方だけでなく、この都庁の食堂はどなたでも利用できますので、ぜひ都庁のベジ・メニューをお試しいただければと思っています。

MFMAJ:実は私たちも昨日、都庁食堂でベジ・メニュー(茄子の蒲焼丼)をいただきまして、本当に美味しかったです。今後メニューが増えたり、週一から週二、週三へと提供日が増えたりというご予定はあるのでしょうか。

小池知事:まずはソロリと動き出したところです。今年はラグビーワールドカップもありますし、来年は東京2020オリンピック・パラリンピックもあり、海外からさらに多くのお客様が来られると思います。その中にはハラールとかですね、国によって宗教によって、お肉系でも屠殺の仕方があるし、完全ヴィーガンですとか、人それぞれにとっての禁忌や思いもおありでしょうし、そういう多様な方々がこの東京に来られる時に、一番基本となる食の面でもお迎え入れをするというのが東京のダイバーシティーの確保ではないかなと思います。
私は「3つのシティー」を作ろうと言っておりまして、まずは「セーフシティー」で、安全・安心なシティー。2つ目が「ダイバーシティー」。SとCは違うんですが、そこは日本語の際は無視して(笑)。そして、3つ目は「スマートシティー」。環境とか金融とか最先端の産業であり、かつ持続可能性のある街にしていこうということで、経済面でも環境面でも。
この「3つのシティー」を標榜している中、ベジというのは、まさしく2つ目のダイバーシティーと3つ目のスマートシティーの両方を兼ねた具体的な課題ではないかと思っています。あと、ストローの問題が世界的な話題になっていますが、先日都庁の中でも「紙ストロー」を使って、実際どういう反響かということをチェックしました。この都庁というのは、これだけの人数の職員がいますし、職員も多種多才なので、みんなと一緒に新しい方向性を探るという意味では、いい場ではないかなと思っています。

MFMAJ:素晴らしいですね。それでは次に、来年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、「食のダイバーシティー」についてお聞きしたいと思います。訪日観光客の増加に伴い、ベジやムスリムの訪日客も増えています。これら食の制限なりこだわりを持っている観光客の便宜を図るという意味から、また、コンタミや便乗商法を防ぐという意味から、食の面でのインバウンド対応、例えばガイドブックですとか、認証マークなどについて整備する必要があると思われますが、東京都としてなんらかの対策を立てるご予定はありますか。

小池知事:例えば、ハラールで申し上げますと、どこのレストランがハラールですよというガイドブックを作ってお示しをしております。むしろそれはそれぞれのレストランが多言語対応であるとか、やはり東京2020大会はある意味いい機会で、様々なレストランがPRに熱心に取り組んでいる、それをバックアップしていくのが東京都としての考え方です。
インバウンドの旅行者数を2020年までに2500万人ということで、2017年で1400万なのであとわずかですけれども、ここで気合いを入れていかなければと思っています。
また、ベジタリアンなど多様な文化・習慣に関する知識とかノウハウをできるだけ皆さんに知ってもらうためのセミナーですとか、メニューの開発など実践的な内容をアドバイスするアドバイザーの派遣などもしております。
来年度ですけれども、ベジタリアン観光客に対応できる、ハラールに次いで今度はベジタリアン対応の飲食店を紹介した冊子を作るということです。

MFMAJ:昨年、国技館でポールと会われましたが、第一印象はいかがでしたか。また、どのような話をされたのですか。

小池知事:もう、「ついに会えたな!」と。私はビートルズ世代ですし、今もレコードでちゃんと持ってます。アビーロードとかジャケットそのものを飾っていたりしました。世代的にそうですけど、お会いできてとても嬉しかったです。ポールは都庁ベジ・メニューについて大変喜んでいました。また、ポールとの面会の直前に、姉妹都市のパリで風呂敷展を行いまして、そのことも紹介しました。風呂敷について説明したら、ポールは一瞬にしてその意味をわかってくださいました。「レジ袋の代わりに包めるんですよ」、「アートですよ」と伝えたら、大変喜んでくださって。
その後、実際にコンサートも拝見して、もうノリノリでした。私がね(笑)。国技館なので、歌と歌の合間に「ドスコイ」っておっしゃるのが面白かったです。

MFMAJ:ポールは相撲好きですよね。

小池知事:そう、すごくお相撲ファンで。この間、両国に行きましたら、相撲協会の八角理事長が、「ポールはすごくお相撲を理解してくださって、懸賞まで提供していた」っておっしゃっていましたね。

MFMAJ:ビートルズでお好きな曲とかありますか。

小池知事:「ヒア・カムズ・ザ・サン」が好きですね。生ギターのね。

MFMAJ:ポールと握手とかされましたか。

小池知事:もちろん!

MFMAJ:どんな感じでしたか。

小池知事:ミートフリーでした(笑)。やはり、ああいう発信力のある方が世界に向かって発言されるということはすごく意味がありますし、お嬢さん(注:ステラ・マッカートニー氏)の毛皮など使わないポリシーもだいぶ知られて、それが付加価値に繋がっているっていうのは、社会を変える原動力になっていると思います。

MFMAJ:2017年の内閣府に引き続き、昨年、都庁がベジ・メニューを導入されたということで、いま、この2つのいわゆる「官公庁ベジ」が民間の方々に刺激と活力を与えているので、私たちは今後とも両者を盛り上げていきたいと思っています。今日は本当にありがとうございました。
(この後、当方よりスタッフ手作りのヴィーガン・クッキーとMFMUK特製ボールペンをお土産でお渡ししつつ、全員で記念撮影。)

 

<< 当方付記 >>
分刻みの超過密スケジュールの合間をぬってお会いいただいた上、笑顔で気さくに御対応くださった小池知事、また、今回のインタビュー実現に際し種々ご尽力いただいた東京都の職員の皆様、カメラ撮影を担当してくださったヴィーガンフードアナリストの岩田絵弥嘩(いわたえみか)さんに対し、この場を借りて心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

なお、今回は時間がなかったため、詳しくお話しできませんでしたが、東京都は、現在、練馬大根や内藤カボチャなどの江戸東京野菜をはじめとする「東京産農産物」について力を入れているそうです(具体的には、東京産農産物の魅力を国内外の多くの方々に知ってもらうための「東京味わいフェスタ」等のイベント開催や、農林水産ウェブサイト「TOKYO GROWN」、無料情報誌の配布等を通じた情報発信など)。
また、東京2020オリンピック・パラリンピックに東京産農産物を供給するため、大会の食材調達要件を満たすとともに、都市農業の特徴を反映した都独自の認証制度である「東京都GAP認証制度」をスタートさせたそうです(先日、初となる認証取得者が誕生)。都庁食堂で、認証食材を使ったメニューを提供するなど、今後も、GAPの取組や認証食材の普及に取り組んでいくとのことです。